本当に会議の成果を上げたければ「ブレスト」をいますぐ止めなければたった1つの理由
グッグッモーニン!
編集集団WawW ! Publishing代表の乙丸です。
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■「「民主的なチーム」が崩壊した話」という記事がバズっている件
サイボウズ式というサイトで今、「「民主的なチーム」が崩壊した話」という記事がバズっているみたいです。
今現在、1149「いいね!」がついていて、ツイッターでは610リツイートされています。
記事の中 では、次のようなことが書かれています。
そして、その理由が次のようなことと書かれています。
1も2も結構わかりやすい(ある種世間でよく言われている)結論かと思います。
さらに、「じゃあどうしたらよかったのか?」という結論は、次のように書かれています。
■違う感想を抱いた件
それで僕がこの記事を読んだ時、僭越ながら違う感想を抱きました。
ここで取り上げられている会社が、どこかは分からず、当時の状況も詳しくわかりませんが、この会社の弊害は・・・、
民主的であったということよりも、ブレストの効果を過信しすぎたことにある。
と考えました。
ブレストとは単純に言えば、次のようなことです。
1.関係者全員が1つの部屋(会議室)に集まる
2.ある課題に対して、自由に意見を出し合う
3.できるだけ出た意見を否定せずに、皆の知恵をブラッシュアップして結論を出す
で、これに何の利点があるかといえば、次のようなことです。
1.一つのことを多くの脳を使って考えられる
2.その場で意見を出し合うので、あまり準備に時間がかからず、効率的に叡智を結集できる
■実はこのブレストにすごい問題がある
一昔前、ビジネス書の世界では、「会議を効率的にやる方法」といった分野の本が大流行しました。
僕も何冊か読んで、「ブレストむっちゃええな!」と思っていました。
そして一時期、会社の会議や、作家さんとの打ち合わせなどにも、ブレストを多用していました。
でも、ある時、ブレストが抱える立った1つの決定的な問題に気づいたのです。
それは、
ブレストの期間中に出た意見のみで考えることになるので、意見が思いつきレベルの、使えない意見で何とか結論を出してしまうケースが多々出てくる。
ということです。
僕がなぜこの問題に気づいたかといえば、
すごい着想・すっげーアイデアなんて、机に座ってウンウン考えても出てきやしねー。からです。
机に座ってすごいアイデアばんばん出せる人なんて、ほんの一握りの天才だけだと思います。
(実際僕は、「ブレストでしか仕事をしない」と言い放っていた、超売れっ子天才編集者を知っていますが、その人は確かに、それでむちゃくちゃベストセラーを量産していますが、本当に日本トップクラスの天才だからそうなんだと思います)
結局僕みたいな凡人は、「何をしている時も、その課題を考え続け(頭の片隅に置き続け)、考え続けて考え続けてきたら、いつか何かの拍子に、天から何かが降りてきたようにアイデア(たとえばすごいタイトルとか)が降ってくる」ものだと思うのです。
ぶっちゃけ、僕は、そうやってしかイケてるアイデアを出せません。
(それが正しいと確信したのは、昔TEDで、アメリカのベストセラー作家さん(どなただったか忘れました)も、同じことをおっしゃっていたからです)
(その辺の話は 過去の記事「重版率8割の編集長が教える、企画を生み出すたった2つの方法」 に書きました)
つまり、マジでいいアイデアを出そうとする場合、ずーっと、ずーっと考え続けて、事ある毎にそのことを頭の中の俎上に上げて、考え続けて・・・、そうすると偶発的なヒラメキが降りてくる。という方法以外に、ない。と僕は思うのです。
で、ブレストでアイデア出しをすると、その一番大事な動きが封じられてしまうという強烈な問題点があるのです。
だからうちでは、ブレストは止めました。
■じゃあどうしてるのか?
で、どうしてるかと言うと、
ブレスト的な案を持ち合う前に、各人で各人のアイデアが湧き出るまで、「一人で事前に考え尽くす」時間を用意しました。
で、
ブレストというか、会議の場は、その意見を基本的には発表するだけの場にする。
すると、
もうむっちゃいい意見ばっかが飛び交うので、あとは、一番いい案を採用する方向に決めて、で、その案をどうやったら完成形に持ち込めるか? だけをブレスト的に意見を出し合ってブラッシュアップすれば、最高の回答が自動的に用意できる!
ということになります。
■結局その会社さんの何が問題だったのか?
結局、この記事で取り上げられていた会社さんの問題は、
民主的なことではもちろんなく、ブレストを過信しすぎていたこと。
にあると思います。
確かにブレストって、 厳密に運用すると、その場で考えるので準備に時間がかからない という利点があるため、すごく効率的に見えるのですが、 結局、アイデア出しにもっとも重要なことが欠落している という意味で、即座にやめたほうがいいと思います。
結論を言えば、 ブレストの会議中に思いつきで出てくるアイデアなんて偽物であり、クソである ということかとw
とまれ、ブレストにはそういう決定的な問題があるにしても、
ブレストの手法の中に含まれている「意見を自由に出し合う」「出た意見を否定しない」といったノウハウは、上記で書いた「各人でアイデアだしの時間を取った後に行う、そのアイデアを持ち寄る会議」では、むっちゃ有効に使えるノウハウ
なので、
一度、「正しいブレストってなんぞ?」っていうことを知っておくことは、ビジネスマンにとって必須のこと
と思います。
僕が、「はいはいはい、ブレストって何か完全に把握した!」となった本は、次の本です。
今回の記事に書いたことに注意していただく必要はありますが、僕が推薦するすごい本の一冊です(リクルートで行われているブレストの手法が完全公開されています☆)。
リクルート「創刊男」の大ヒット発想術 (日経ビジネス人文庫)
現場からは以上です!!
記事の中 では、次のようなことが書かれています。
ある時期に僕が所属していたチームは、とても「民主的なチーム」でした。チームリーダーは意見を押し付けるような物言いを一切しない人で、僕たちメンバーの話をとてもよく聞いてくれました。
しかしこのチームは(働いていた会社はサイボウズではありません。念のため)、ビジネスという観点では全くと言っていいほど成果を上げることができなかったのです。納期は予定より2回も延期され、プロダクトのリリース後も目標としていた数値を達成することができず、最終的にはプロジェクトは中止・チームは解散という憂き目にあいました。
そして、その理由が次のようなことと書かれています。
その理由として、
1つ目の理由は、民主的であるがゆえにコミュニケーションコストが爆発的に増えたことです。
2つ目の理由は、「話し合い」を重ねることによって、とんがった意見がすべて丸くなってしまったことです。
1も2も結構わかりやすい(ある種世間でよく言われている)結論かと思います。
さらに、「じゃあどうしたらよかったのか?」という結論は、次のように書かれています。
理想のチームはどうあるべきか
重要なのはリーダーの果たす役割です。リーダーのすべき仕事は、メンバーの言いなりになることではありません。一方で、メンバーをコマのように強引に動かすことでもありません。ビジョンをメンバーに示し、そのビジョンをメンバー全員が納得するように働きかけること、それこそがリーダーの果たすべき役割だと僕は思います。
メンバーがリーダーの描いたビジョンを自分のものとして共有できるようになれば、「すべて話し合いで決める」ような形はとらなくて済みますし、一方でリーダーの方針に従うことについて必要以上に不満を蓄積させることもありません。このようによいビジョンを描き、さらにそれを周囲に納得させられるかどうかが、リーダーの一番重要な能力と言っても過言ではないでしょう。
■違う感想を抱いた件
それで僕がこの記事を読んだ時、僭越ながら違う感想を抱きました。
ここで取り上げられている会社が、どこかは分からず、当時の状況も詳しくわかりませんが、この会社の弊害は・・・、
民主的であったということよりも、ブレストの効果を過信しすぎたことにある。
と考えました。
ブレストとは単純に言えば、次のようなことです。
1.関係者全員が1つの部屋(会議室)に集まる
2.ある課題に対して、自由に意見を出し合う
3.できるだけ出た意見を否定せずに、皆の知恵をブラッシュアップして結論を出す
で、これに何の利点があるかといえば、次のようなことです。
1.一つのことを多くの脳を使って考えられる
2.その場で意見を出し合うので、あまり準備に時間がかからず、効率的に叡智を結集できる
■実はこのブレストにすごい問題がある
一昔前、ビジネス書の世界では、「会議を効率的にやる方法」といった分野の本が大流行しました。
僕も何冊か読んで、「ブレストむっちゃええな!」と思っていました。
そして一時期、会社の会議や、作家さんとの打ち合わせなどにも、ブレストを多用していました。
でも、ある時、ブレストが抱える立った1つの決定的な問題に気づいたのです。
それは、
ブレストの期間中に出た意見のみで考えることになるので、意見が思いつきレベルの、使えない意見で何とか結論を出してしまうケースが多々出てくる。
ということです。
僕がなぜこの問題に気づいたかといえば、
すごい着想・すっげーアイデアなんて、机に座ってウンウン考えても出てきやしねー。からです。
机に座ってすごいアイデアばんばん出せる人なんて、ほんの一握りの天才だけだと思います。
(実際僕は、「ブレストでしか仕事をしない」と言い放っていた、超売れっ子天才編集者を知っていますが、その人は確かに、それでむちゃくちゃベストセラーを量産していますが、本当に日本トップクラスの天才だからそうなんだと思います)
結局僕みたいな凡人は、「何をしている時も、その課題を考え続け(頭の片隅に置き続け)、考え続けて考え続けてきたら、いつか何かの拍子に、天から何かが降りてきたようにアイデア(たとえばすごいタイトルとか)が降ってくる」ものだと思うのです。
ぶっちゃけ、僕は、そうやってしかイケてるアイデアを出せません。
(それが正しいと確信したのは、昔TEDで、アメリカのベストセラー作家さん(どなただったか忘れました)も、同じことをおっしゃっていたからです)
(その辺の話は 過去の記事「重版率8割の編集長が教える、企画を生み出すたった2つの方法」 に書きました)
つまり、マジでいいアイデアを出そうとする場合、ずーっと、ずーっと考え続けて、事ある毎にそのことを頭の中の俎上に上げて、考え続けて・・・、そうすると偶発的なヒラメキが降りてくる。という方法以外に、ない。と僕は思うのです。
で、ブレストでアイデア出しをすると、その一番大事な動きが封じられてしまうという強烈な問題点があるのです。
だからうちでは、ブレストは止めました。
■じゃあどうしてるのか?
で、どうしてるかと言うと、
ブレスト的な案を持ち合う前に、各人で各人のアイデアが湧き出るまで、「一人で事前に考え尽くす」時間を用意しました。
で、
ブレストというか、会議の場は、その意見を基本的には発表するだけの場にする。
すると、
もうむっちゃいい意見ばっかが飛び交うので、あとは、一番いい案を採用する方向に決めて、で、その案をどうやったら完成形に持ち込めるか? だけをブレスト的に意見を出し合ってブラッシュアップすれば、最高の回答が自動的に用意できる!
ということになります。
■結局その会社さんの何が問題だったのか?
結局、この記事で取り上げられていた会社さんの問題は、
民主的なことではもちろんなく、ブレストを過信しすぎていたこと。
にあると思います。
確かにブレストって、 厳密に運用すると、その場で考えるので準備に時間がかからない という利点があるため、すごく効率的に見えるのですが、 結局、アイデア出しにもっとも重要なことが欠落している という意味で、即座にやめたほうがいいと思います。
結論を言えば、 ブレストの会議中に思いつきで出てくるアイデアなんて偽物であり、クソである ということかとw
とまれ、ブレストにはそういう決定的な問題があるにしても、
ブレストの手法の中に含まれている「意見を自由に出し合う」「出た意見を否定しない」といったノウハウは、上記で書いた「各人でアイデアだしの時間を取った後に行う、そのアイデアを持ち寄る会議」では、むっちゃ有効に使えるノウハウ
なので、
一度、「正しいブレストってなんぞ?」っていうことを知っておくことは、ビジネスマンにとって必須のこと
と思います。
僕が、「はいはいはい、ブレストって何か完全に把握した!」となった本は、次の本です。
今回の記事に書いたことに注意していただく必要はありますが、僕が推薦するすごい本の一冊です(リクルートで行われているブレストの手法が完全公開されています☆)。
リクルート「創刊男」の大ヒット発想術 (日経ビジネス人文庫)
現場からは以上です!!